龍ではなくヘビの場合もあるのですが、自分で自分の尾に噛みついている龍を図案化したアイコンです。
古来、「永劫回帰」「永遠」「無限」の象徴とされます。数学で使う無限の記号「∞」も、ウロボロスがもとになっています。
ヘビは脱皮を繰り返して成長し、場合によっては10メートル以上にも大きくなり、長期間えさを口にしなくても生きていられる強い生命力を持ちます。
そんなヘビは、「不老不死」「死と再生」の象徴とされ、さらに円環になって無限に続く回転のイメージが生み出され、
「永劫回帰」のシンボルにつながっていきます。
そのほか、アレクサンドロス大王のアジア侵攻後のヘレニズム文化の時代には「全にして一」、「完全性」、「世界霊」などを意味するとされました。
錬金術では、「相反するものの統一」を象徴するものと考えられています。
さらに、最初の方で紹介したドイツの心理学者、カール・グスタフ・ユングは、ウロボロスを「プシュケー」の象徴としました。
プシュケーとはギリシア語で「魂」を意味し、ユングのとらえ方では「自我」と「個人無意識」、「集団的無意識」を包括するものです。
言い換えれば、個性を持ったひとりの人間の精神全体ということです。